トレーサビリティは計測器の校正に信用性を増す

第三者機関に委ねることもできる

トレーサビリティは、そのものズバリ追跡です。業界の中で計測器を扱うのは建築産業ですが、自社校正でも十分正しい規準には達しているでしょう。何かしらツールを扱う際、例えば、物の長さを測るのに定規を用いると思うのですが、その定規のメモリは1ミリの狂いもなく正しいメモリでしょうか。自社製品に誇りを持っている場合、定規のメモリが狂っていないことを証明するために校正という手段を取ります。合っているか間違っているか、赤ペン先生みたいなイメージを持ってもよいでしょう。メモリが狂っているなら、どの段階で狂ったのか、追跡しなければなりません。そうした内容を自社のスタッフだけで実施するよりも、第三者機関に依頼をして、追跡してもらうことができます。もちろん、自社製品ではなく、レンタルやリースしたり、他社製品を導入して製品開発している事業所も数知れずあります。そうした場合も、第三者機関に製品チェックを依頼できるわけです。

追跡することで明らかにできることがある

情報というのは自社で知らない『知らせ』『知識』『出来事』などがあります。規定や基準、概要や手順などの作業のより所となる文書があったとして、文書、データの変更・改訂はあるが、品質記録の変更・改訂はあり得ない、こうした『言った』『言わない』がなくなるのがトレーサビリティのウリでしょう。責任の所在が明確になります。第三者機関に任せることで、仕事の手を止めることもなくなりますし、要件・要点だけを知ることができるのでムダもありません。その校正内容をそのまま他に回すことができます。追跡がなぜ必要なのか、計測器だって毎日使用していれば、少しずつ狂いが生じることがあります。度々メンテナンスをしているから安心しているのでしょうが、後ろには顧客を見ることが優先されなければなりません。レンタルしている計測器が狂っている可能性があるなら、発注主を分析しなければなりません。そこも追跡によって明らかになります。

信用力というのが最終的には必要不可欠

追跡、正しい判断、こうした内容をクリアにすることにより、信用力を鍛えることができます。自社が担当するプロセスから生み出される(アウトプット)商品・部品・サービスを、受け取る人・組織も、顧客の概念に入るでしょう。要するに、あるプロセスから生み出されたモノや情報が、その後の工程に流れていくことによって顧客も変わってくるというとらえ方です。この積み重ねによって、初めて真の顧客が満足を覚えます。もっと簡単にいえば、計画(プラン)、実行(デビュー)、評価(チェック)があって、その後、改善(アクション)を行うわけで、トレーサビリティは終わりのない螺旋状活動になります。